日常生活にカギがある

日常生活
剣道の指導で、私はよく日常生活とつなげて話をします。剣道を学ぶことで、子供たちに成長してほしい、将来自分が大人になったとき自分の子供にたくさんのことを話せる人であってほしいと願うからです。
 「剣道を学ぶ」より「剣道で学ぶ」という言い方になります。指導者として、剣道で何を伝えることができるか、これこそが自分の初心のように思います。

私が中学生の頃、先生につれられて兵庫県の上郡大会・若鷲旗に二度参加した経験があります。九州学院中や神埼中など、今でも全国トップレベルであり続ける伝統校とも対戦し思い出深く残っています。
上郡大会では目を見張るものがありました。自分の価値観が大きく変わりました。強い選手・学校は行動が早く、挨拶・返事も大きい声ですし、自分から率先して何かをやろうと常に気を配っていた。神埼中のトイレ掃除や靴ならべ。また会場の入口で靴箱がいっぱいになるとみるや、靴袋を配りはじめたり、食事をしていた子たちは、待っているのにすぐ気付き、どうぞ、と席をゆずってくれる。また会場の試合記録も係員ではなく、他校の生徒が行っている。人に気を配れることのすばらしさ、温かさを学んだ大会でした。


今、指導者として大会会場を訪れるとそういった心遣いをしている人が少なくなったな、と残念に思うことが多くなってきました。

しかしながら、良い行動を真似てくれている素晴らしい子供たちもいます。
前任校では、トイレ掃除や靴並べの取り組みを生徒に徹底しました。他校のものまねかもしれませんが、人のためになる素晴らしいことは即実践させるべきだと思います。人のためになることをみんなが率先してできるようになれば大会も素晴らしいものになりますし、子供たちも成長してくれるのではないかと思います。
現在は、生徒たちと会場のゴミ拾いをしたり、防具の置き方を徹底しているところです。みんなで気持ち良い大会を作っていきたいと考えています。

勝ちを目指す中で、人に気配りできる人になろう。


指導者として、この部分を常に心がけ、これからも歩み続けていきたいと思います。